Game Music Series 006 [medieval cinematic] by Sascha Ende

Hit or Miss? Arti’s Review

よし、このトラックを聴いてみよう…　なるほど、第一印象はまさに提案されているように「中世シネマティック」で、その雰囲気を効果的に捉えているね。楽器の選択、特に弦楽器や木管楽器が多いことで、すぐに歴史的、あるいはファンタジーの世界に連れて行ってくれる。どことなく陰鬱で、少しメランコリックな感じがあり、ドラマチックなシーン、あるいは回想や緊張が高まる瞬間にとてもよく合うだろう。アレンジはかなり直線的で、穏やかに盛り上がるものの、爆発的なクライマックスには至らないのが面白い。全体を通して一定の緊張感を保っている。プロダクション・ミュージックとしては、これは実際には強みで、セリフや効果音を邪魔しにくいということだ。

作曲に関しては、メロディーはシンプルだが効果的で、どこか悲しげな雰囲気がある。ハーモニーは比較的単純で、おなじみの中世風の進行にこだわっている。場所によっては、もう少しハーモニーの複雑さを加えることで、さらに高みを目指し、深みと興味深さを加えることができるかもしれない。

プロダクション面では、ミックスはまずまずクリアで、楽器の音は区別できるものの、全体的な音のパレットは少し…安全すぎるように感じる。ステレオフィールドにもう少し広がりを持たせて、より没入感を得られるようにし、控えめなパーカッションや雰囲気のあるパッドなど、微妙なテクスチャ要素を加えて、レイヤーを追加し、「ドライ」すぎる音にならないようにすると良いだろう。マスタリングはまともで、ラウドネスはライブラリーミュージックとしては許容範囲だが、ダイナミックレンジを犠牲にすることなく、現代の予告編やゲームに合わせて、もう少しだけ上げても良いかもしれない。

感情的には、確かにドラマチックな感覚と、おそらく少しの悲しさを喚起する。露骨に壮大だったり、アクション満載というよりは、控えめなため、汎用性がある。RPGゲームの探索中や静かな瞬間、歴史ドキュメンタリー、あるいはビジュアルが合えば、ファンタジーをテーマにした広告にもうまく使えるだろう。ポッドキャストでは、歴史的または神話的なもの、特に物語性のあるストーリーのイントロやバックグラウンドに最適だろう。

業界標準のプロダクション・ミュージックと比較すると、しっかりしていて、そのまま使えるだろう。さらにレベルアップさせるには、サウンドデザインを試してみることをお勧めする。微妙なレイヤー、加工されたアコースティック要素、あるいは非常に穏やかなシンセテクスチャなどを加えて、中世の雰囲気を保ちながら、より豊かで現代的なサウンドスケープを作り出すことを考えてみよう。また、アレンジにもっとダイナミックな変化を加え、より顕著な盛り上がりや、途中で対照的なセクションを設けることで、訴求力と使いやすさを広げることができる。しかし全体としては、良い出発点だ。明確なムードを確立し、メディアプロジェクトでの明確な用途がある。サウンドの磨きとアレンジの洗練を少し加えることで、これは非常に強力なライブラリトラックになるだろう。